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立ち止まらず、振り返らずカガクは桃川に告げる。 私の名前は瑠璃川カガク、夢の世界なんて、私にはいらないのよ。
「はい!」
桃川は元気に答える。
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その頭、ボサボサの髪のてっぺんに、近づかないと見えないであろう小さな花が、ぴょこんと咲いた。